マセラティ・グランスポーツは、マセラティ・クーペをベースに開発された極めてスポーティなグランツーリスモである。マセラティ・クーペと、GT選手権に参戦するレース用バージョン「マセラティ・トロフェオ」との中間の位置するモデルであり、2.0Lエンジンを搭載した1950年代の伝統的名車と同じネーミングを持つ。
マセラティ・クーペとの相違点は、リップスポイラー一体型フロントバンパー、ボディと巧みに融合するサイドスカート、フロント同様にリップスポイラーを備えたリヤバンパーなどで構成される美麗なエアロスタイルと、10mmローダウンされた車高。これらは単なるデコレーションでなく、風洞実験を繰り返し、空気抵抗を徹底的にスポイルさせるという実に理にかなった内容が盛り込まれている。フロント部のダウンフォースはマセラティ・クーペに比べて6.54%、前後輪間からリヤへのダウンフォースは12.6%向上。この数値を見れば、その尋常ではない空力性能がよく分かることだろう。クロームメッキが施された大きなラジエターグリルも、エンジン冷却効率とフロントダウンフォースの向上にひと役買っている。


エンジンは401ps/46.0kg-mのパワー&トルクを叩き出す4.2L・V8 DOHCユニットで、マセラティ・クーペよりも11ps/1.0kg-m高いスペックを誇る。トランスミッションは、ステアリング裏のパドルでシフトコントロールできるF1マチックの6速セミAT、カンビオコルサを搭載。カンビオコルサのセレクトスイッチはカーボンとレザーが奢られた、実にスポーティなセンタートンネルに設置される。
理路整然とした空力性能と、極上の艶やかさを併せ持つボディスタイル。最高速度290km/hを発揮するハイエンドな動力性能。そしてその痛快な動力性能を、実にイージーに操ることができるカンビオコルサ。マセラティ・グランスポーツを前にしては、フェラーリやポルシェも霞むかもしれない。
